こんな話あんな話

自分が未熟なときは、自分の考えと違う手を打たれることに畏怖感をもつものです。しかし本当は、自分の考えたとおりに、スッスッと進んでくるやつが、いちばんこわい。なぜかというと、相手が思わぬ手を打ってきたときは、こちらも緊張しますし、そこで慎重に熟考する。ところがスッスッとくるやつは、いわば思うツボだから、安心が先にたちます。ところがなぁに、向こうだって、スッスッとくるについては、読みに読んできておるんだから、いちおう勝算をたてて来ておるとみなければならんわけだ。

だから上手は,そこでもう一度、確認という作業を繰り返すことになる。ここが大事なところです。それをホイホイでいったんじゃあね、えてして気がついたときは、大ケガどころか、命を失いないかねませんよ。

                 升田 幸三『王手』より

あんな人こんな人


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