こんな話あんな話



あの脱線事故の際、電車が折り重なってマンションに突っ込んでいる悲惨な状況をテレビで目の当たりにして、自分の肉親が電車の中に閉じ込められているのではないか、病院に担ぎ込まれて苦しんでいるのではないかと心配する家族にとって、肉親の安否情報こそが、あらゆる個人情報の中でも、最も重要で大切なものではないかと思います。
(中略)

しかし、あのとき多くの医療機関の担当者の目の前には、「個人情報保護法マニュアル」があったのでしょう。そこには、個人情報に当たる医療情報は他人には回答してはいけないと書いてあったので、その通りに対応し回答を拒絶したのです。担当者には、「法令遵守」ということばかりが頭にあって、法の背後にある社会的要請など見えていなかったのです。

郷原信郎著 『「法令遵守」が日本を滅ぼす』より

あんな人こんな人


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