こんな話あんな話


「職業としての学問(科学)」の中で、ウェーバーはこう言っています。
われわれはみな、自分たちは未開の社会よりはるかに進歩していて、アメリカの先住民などよりはるかに自分の生活についてよく知っていると思っている。
しかし、それは間違いである。
我々はみな電車の乗り方を知っていて、何の疑問も持たずにそれに乗って目的地に行くけれども、車両がどのようなメカニズムで動いているのか知っている人などほとんどいない。
しかし、未開の社会の人間は、自分たちが使っている道具について、われわれよりはるかに知悉している。
したがって、主知化や合理化は、われわれが生きるうえで自分の
生活についての知識をふやしてくれるわけではないのだ__と。

  『悩む力』 姜尚中著より

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