こんな話あんな話

この隔週連載が始まって何週間か過ぎたある日、気がついたら、錆びついていた私の脳細胞は(若い頃のようにはいかないにしても)いくらか動き始め、私は老人性ウツ病から抜け出ていたのでした。

なくなった力をふるい起こすために、しばしば私はヤケクソにならなければなりませんでした。
ヤケクソの力で連載はつづき、そのおかげで、脳細胞の錆はいくらか削れてなくなりかけていた力が戻って来たと思います。

人間は「のんびりしよう」なんて考えてはダメだということが、
九十歳を過ぎてよくわかりました。

佐藤 愛子著『九十歳。何がめでたい』

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