こんな話あんな話

「本質は平易な言葉に宿る」

角栄の言葉は平易で、かつ分かりやすい。
誰にでも伝わる内容であり、かつリアリティと説得力がある。
角栄は政治家であったが、難しい政治用語や、役人が駆使する「官僚答弁」など、分かりにくい物言いを嫌った。
「人間にとつて本当に大切なことは、難しい言葉でなく、誰にでも分かる簡単な言葉で表現されている」
それが角栄の考えである。

「本当の雄弁」とは、多くの言葉を使い、知識や教養を披露することではなく、相手の心をとらえ、聴衆が「今日は良かったな」と思える話のことであると角栄は周囲に語っていた。
選挙や講演における角栄のスピーチはいちいちユニークだったが、
その定番がこれだった。

「…と、ここまでが役人の作文。ここからが、私の本当に言いたいことなんであります!」

『人間・田中角栄』 別冊宝島編集部

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