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不動産マメ知識コーナー 何年たっても不良債権処理 <2002.6> この5月に、下関市で開催されていたIWC総会をTVのニュースで見ていて、代表的な世界会議の出席者でも、閉鎖的な考えを(別に鯨を食べる、食べないにかかわらず)立場の弱い国々や人達に押し付けるものなんだなー!と思いました。 不動産の処理方法からすると、次の2つに分かれると思います。 一つは、裁判所や弁護士の先生がよく行う【入札】方式です。 売る方の手間がかからないので、最近では不動産仲介会社や売主自らこの方法で物件を処理しようとすることもあります。 もう一つは、従来から一般の物件売却方法である【相対取引】であります。 ご存知のように日本の不良債権処理はもう10年上も続いているわけですから、いいかげん解決の出口や糸口ぐらい見えてきても良さそうなのに、景気がさらに悪くなって不良債権額は増えていると言われています。 もともと不動産は流動性が低い資産(注1)であります。 そして、“不良”と言う名前が付いた不動産は通常以上に時間がかかるのは仕方ない部分もあり、時間のかかるのには一定の理解を示すわけですが・・・それにしても遅い! そこで今回は,現実に不良債権は、どのように処理されているのかを考える上で、ある【入札】方式の事例と、【相対取引】の事例をご紹介したいと思います。 (内容については、差障りのない表現でお伝えいたします。) ≪事例その1 ある入札物件説明会≫ 旧住専大口貸付先の破綻会社所有風俗ビルの処分について、平成1*年4月22日、管財人より下記の要領で入札を行う説明会がありました。
つまり、この場合買主の都合は全く考慮されていないということです。幾ら稼業中とは言え、全く内容の解らない物件に1000万円を持って来た者にだけ内容を明かします(勿論入札参加しない場合は即時返却されますが・・返せばそれでいいのか!)なんて、それにまた1週間程しての資料閲覧、そして1ヶ月後の入札・開札(それも非公開!)。即1億円を入金、1ヶ月して9億円以上の残金入金。1年半は転売禁止。当然、瑕疵担保責任等もありませんので,問題があれば全て購入者の責任で解決しなければなりません。それがいやなら入札に参加しないで下さいと言わんばかりではなく、『参加してもらわなくて結構です』とハッキリ言っておられました。 買主って一体なんなのでしようか? ≪事例その2 ある購入者のケース≫ 借家業を営む甲さんは、今持っている賃貸マンションが減価償却も進み、借入金の返済も順調なことから新たに一棟の収益用マンションを購入しようと色々な物件を見て回り、やっと気に入った物件(バブル期に建築した不良債権)に出会いました。 売主・債権者より詳細な資料も手に入れ、資金計画や収支計画書を作成し、元々購入に協力的な取引先金融機関に融資の相談をしたところ、アッサリ断られてしまいました。 その理由は、「そのマンションが建築されたとき【検査済証】を取っていないので融資対象として相応しくない」というものでありました。 最近ではこの理由で融資を断られることが多いのですが、バブル期に建築されている建築物の殆ど(大阪市内では当時の建築物の内、公庫対象住宅や大型オフィスビルを含めても、全体の約2割弱しか検査済証を取っていないと思われます)が【検査済証】を取っていないとすれば、今後不良債権化した収益マンションなどは、金融機関の融資の対象にならないとすれば、どうゆう処理ができるのか、また最終的にいったい誰が購入することになるのでしょうか!(外資にバルクで買ってもらいますか?) 収益用不動産は仮に現金で購入できたとしても、少なくとも半分以上は借入金で資金計画を立てるのが普通です。 また、全額を現金で支払える人などそう沢山いないと思いますが・・・ 以上の2つのケースは、それぞれ個別の不良債権処理であり、昨今の物件購入の難しさを表す事例でもありますが、どちらにしても購入者・一般市民の立場からすると何か釈然としないものだと思いませんか? 報道で報じられているような大口の債権処理は、スパッと何十億、何百億円と処理できますのですごく問題解決になっている気になります。しかし、今回見ていただいたような何千万、何億円単位の処理こそ私達の身近な不良債権問題だと思うのですが・・・ (注1) 資産の分散を考えるとき、次のような特徴を考慮します
どれか1つに偏ってしまうとリスクが大きくなる. |
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南森町不動産/ブログ版 http://minamimorimachi.net | |||||||||||||||
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