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南森町不動産/ブログ版 http://minamimorimachi.net 不動産マメ知識コーナー
立地・将来性と利回り
2004.4.
景気持直し、株価アップ、地価下げ止まり、新卒雇用増加etc何か明るさを感じつつ春を迎えることができそう。
我が不動産業者は「売り物件」の絶対数の少なさを嘆く悲鳴の今日この頃です。
一般の方にはご理解頂けないかもしれませんが、確かに「売り物件」が不足しています。
元々不動産市場は“エンドユーザー”と“プロ及び投資家”の2つがあり、現在“エンドユーザー”市場の方はそれなりに好調を持続していて品不足を感じませんが、“プロ及び投資家”の市場は明かに品不足で、その取引価格は予想以上に高値で、投資用物件の利回りも低下しています。
要するに、“プロ及び投資家”の市場においては『不動産価格は上がっている』状況になっています。
その延長上に“エンドユーザー”市場があるとすれば、『不動産価格は上がる』ことになりますが、そう単純なものでもないと思いますが…売物件が少ないと嘆く状況の中でも,特に豊富な物件数があるのが「中古ビル」です。
長期の不況で倒産、合理化された企業の拠点・事務所です。
大阪だけでも少なくとも10万人超のリストラで(1人当床面積6〜7坪として)60〜70万坪の事務所スペースが余っていることになります。
そのなかでビルごと売りに出されている物件の多くは,築後20〜30年とか、中途半端な賃貸中とか、入札物件で瑕疵担保責任が問えないとかで、購入を検討するのが難しい物件が多いのです。
でも「立地」のイイ物件は何とかならないかと思ってしまいます。【購入価格の検証】
所在地
大阪市中央区安土町*丁目**
※物件を特定すると問題がありますので、アレンジしております※
土 地
40坪
建 物
RC造地下1階地上4階建 延べ床160坪 昭和40年新築
用途地域
商業地域 建ぺい率80% 容積率800%
接道状況
東側15m 北側8m
交 通
地下鉄堺筋線 最寄駅徒歩1分
価 格
2億円
堺筋を西に1本入った角地。 築年数古く建物の状態は決して良好とはいえないが、大阪のビジネス街としては人気のある立地。
建物は元々事務所ビルだったが、現在地下1階は喫茶店とお好み焼き屋、1階はチケット販売店とカメラ屋、2階は大手居酒屋チェーン店、3・4階は空室の状態である。
現状のネット収入※は170万円/月、預保証金は総額6000万円。
※ネット収入は固定資産税や維持管理費用等を除いた純収入額。この物件の立地は捨てがたいが、建物の状態・築年数を考えて、将来建替えを目論んで試算したいと思えます。
より良い物件(収益アップ)にしようとする場合、建替案とは別に現テナントを残したまま大改修工事をして、長期的に建物を利用することもできます。
共通点はそれぞれかなりの費用を準備出来ないといけないという点です。現在は店舗として賃貸中ですが、ネット利回りが約10%確保されています。
将来的な建替えを想定して、買値を大雑把ではありますが逆算して求めてみます。
想定される建替計画を次のように考えます。
■仮に7年後の建替えを目標とし、その間の収益を値踏みする。その上で、新築建物の収益を予想してみることになりますが,今回は当初7年間の収益で購入価格を割り出すに止めます。
仮に7年後の売却価格(後の原価)を1億円として、期待利回りを6.0%の現在価値を試算してみると、1億7800万円で購入すれば、目標を達成する事になります。(収入等の条件は購入当初のままとします。)
建替えを検討するには、現テナントに返却する預保証金を負の資産として含んでおかなければなりません。(今回立退き費用は計上せず。)
∴ ▲6000万円=1億1800万円…@が購入価格になります。
上記の7年後を10年後に変更して考えると、購入検討価格は1億4300万円…Aとアップします。
又,7年後の売却価格(後の原価)を1億5000万円として計算すると、1億6000万円…Bが購入検討価格になります。
建物の維持を考えても修繕・改修費用の用意が別途必要なことは当然のことです。
私達が分譲マンションを購入する場合、修繕積立金を引き継ぎますが、一棟売物件の場合はそのようなものはありませんので、買主で修繕積立金相当額を準備しなければなりません。
古年の収益物件は目に見えない費用の準備も必要で,今回の簡便な試算でも購入価格は上記の売却価格とは懸け離れた数字になってしまいました。@ 1億1800万円→17.3%ネット利回り
A 1億4300万円→14.3% 〃
B 1億6000万円→12.8% 〃
これくらいで購入しないとソロバンに合わない勘定です。
もっと厳しく費用を見積もれば、購入検討価格はさらに低価格になります。【取引利回りは変化する!】
購入者にとって「利回り」の目安はどのくらいに設定すべきか?
一節によると大手不動産投資会社のそれは順次低下していて、ネット7〜8%程度のケースも多いと思われます。仮にその「取引利回り」を確認できたとしても、我々の取引対象物件よりも高額で、審査基準も厳しい物件であり、購入者数自体が限られていますのでどの程度参考になるかは難しい処です。
それに、系列会社間・取引金融機関の仲介・証券化物件などの取引は一面作られた取引の臭いがして、その「利回り」も作為的な感じがしてもう卯のみに出来ない思うのです。
■将来性を感じる時は,利回りは低下する ■将来性を感じない時は、利回りは高くなる +
◆将来価格が上昇するケースは、利回りが低下する ◆将来価格が低下するケースは、利回りが高くなる 売買の当事者にとって「利回り(=購入価格)」を決定する基準や、思惑は其々違いますが、「どの程度のリスクなら負うことができるのか?」が決定的要素でありことは間違いありません。
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