不動産マメ知識コーナー

 不動産と相続評価 2004.7

先日、永くお付き合いをさせていただいているAサンの奥様が亡くなられた事を知りました。 10年間の闘病生活の結末でもあり,Aサンの落ち込み振りは大変なものでした。
資産家でもあるAサンは不動産を用いて相続税対策するメリットなど、こちらから説明を要する必要もないほどご存知でしたし、実際物件も吟味しておられました。
でも来るべき「愛妻の死」を前提とした不動産購入については、“気乗りがしない”“信じたくない”“有得ないという気持ち”を優先し、そのことを見送ったということをお話されました。


“相続税”は人の死亡によって、その財産が他に移転する場合に、その財産に課せられる租税であります。
相続税の試算でもしてみようかなと思っている人は大抵「不動産」をお持ちだと思いますが、土地の場合【路線価方式】、建物の場合【固定資産税評価額】を基礎にして抑えておきます。

1 土地の評価

市街地の土地は、利用単位である1区画ごとに評価します。
その評価方法は【路線価方式】ですが、全国の道路に各評価額がつけられているので、相続税や贈与税の評価を知る以外にも使ったりすることがあります。
例えば、以前でしたら路線価の7掛けが実勢価格だとか、いや融資金額の目安は50%だとか言って使っていた時期もありました。
今でも、路線価が100万円/坪だからこの土地は100万円/坪位はするはずだ!とか言って使っている人もいます。
その路線価を奥行価格補正・側方路線影響加算などで修正することを知っていれば、一般的な不動産価格の理解度はより深くなると思います。


自用地の評価の例

※繁華街・Aは間口5m奥行10mとする


     A:一路線に面する宅地 

     B:間口の狭小な宅地(間口3.5m)

     C:二路線に面する宅地(面積Aと同じ)

A=正面路線価×奥行価格補正率
 =
40万円/0.99396,000/u

B=(A)×間口狭小補正率×奥行長大補正率

 =39.6万円/0.9×0.932,760/u

C=(A)+(側方路線価×奥行価格補正率×側方路線影響加算率)

 =39.6万円/u+(25万円/0.99×0.10)=420,750/u

    同じエリアでもこのように評価額の違いが出ます!

 

市街地宅地以外の土地は、【倍率方式】という方法で評価します。
固定資産税評価額に一定の倍率を掛けて価格を算出する方法です。

2 建物の評価

家屋の評価額は、固定資産評価額=相続税評価額になります。
土地も建物も固定資産税の評価額を使用する時は、課税標準額(注)ではなく、固定資産評価額を使うことに注意が必要です。  それは登録免許税や、不動産取得税などを算出する時にも同様です。

3 権利の調整

貸家建て付け地・借地権などの権利関係がある不動産の評価は、1土地・2建物の評価額を算出してから、其々に決まっている割合を乗じてその価額を求めることになります。

4 路線価格と「時価」

私は税の専門家でもありませんが、不動産業者として覚えていることで言えば「相続時の財産評価は『時価』で行うことになっていて、必ずしも路線価等に基づいて申告するものではない」ということです。
バブル後、急激な下落をした地価に比べて、地域性を細かく包含仕切れない『路線価』や『固定資産税評価額』を絶対視することには、どうしても無理があると思われます。
それは路線価を取引価格の指標として使っている人達にも、充分注意していただきたいところでもあります

注)課税標準額と評価額

固定資産税は住宅用地に対する税負担を軽減するために特例措置があります。 特に身近なものとして「小規模住宅用地」=「住宅1戸当200uまでの部分」は評価額の1/6を課税標準額とし、その他の住宅用地は同じく評価額の1/3とする特例措置があります。

※住宅用地は家屋床面積の10倍が限度。

また、平成9年より負担水準を全国的に公平にするための税負担調整率を加えることが始りました。下落率や負担水準によって調整するので、すごくややこしくなっています。