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 金利と収益物件の関係

 
 2004.8.

金利が上がるということが現実になり、不動産投資を考えている方々にとって収益物件の価格が今後どういう風に変化するのかが一番の感心事になっています。
ここ数年は≪低金利+金余り≫と、≪物件価格の低下≫の2つの流れで、物件を取得する基準はそれを踏まえてかかれば概ねOKの状況でした。
でも金利が上がれば、ご本人に借入金があろうがなかろうが、世の中の不動産価格自体が勝手に動き始める…さあどうしますか。
不安?迷う?諦める?

現実に金利が上がると不動産の価格は上がるか、下がるかは、他の要因とも絡み合って誠に複雑怪奇。

不動産は上がる!

   不動産担保力依存の新型ローンの開発で、金融商品に絡めて結果的に不動産価格アップの 状況が来る。
   ポストデフレで全般的に物価は上昇し、不動産もご多分に漏れず名目的価格は上がる。

不動産は下がる!

■金利アップで返済負担力から逆算して、不動産価格は下がらざるを得ない。
■人口減の傾向は物件過多に結びつき、不動産はやっぱり長期的下落。

今回は、借入金利のアップが、購入価格の基準をどの程度左右するのかを検証してみます。

≪計算の前提≫

Aサン(個人)は不動産業者B社の仲介で下記条件の一棟売収益マンションを購入し、10年後に売却する方針です。

その際のAサンの期待利回りは6%です。

この物件の表面利回りは、12%です。(1200万円÷1億円×100)

【資金計画】

《投資金額》…11121.3万円

物件価格

1億円(税込み)

仲介手数料

321.3万円(税込み)

諸経費

800万円

《資金計画》

現金

4121.3万円

借入金

7000万円

【収支計算】

《収 入》…年間1200万円

家 賃

90万円/月×12ヶ月

ワンルーム20戸・月額45000/

共益費

10万円/月×12ヶ月

   〃    ・月額5000/

《支 出》…借入金利5%の時は、年間7939917

     …借入金利3%の時は、年間7058620

借入金返済額(5%)

5539917

20年/固定/元利均等

  〃   (3%)

4658620

   〃

共益・管理費用

120万円(満室時)

収入の10%として

その他経費

120万円

修繕積立・手数料etc

《基本的な考え方を優先するため、収入・支出とも10年間一定とします》


キャッシュフローの計算(単位:万円)

項 目

金利5%のケース

金利3%のケース

収 入



家 賃

1080

1080

共益費

 120

 120

小 計

1200

1200

空室損失

 ▲60

 ▲60

(計算上の空室率)

  5%

  5%

合  計

1140

1140

支 出

借入金返済額

554

465.9

共益・管理費用

114

114

その他経費

120

120

合  計

788

699.9

キャッシュフロー

352

440.1

■このケースでは、金利2%の差が1年間のキャッシュフローに88.1万円(=440.1万円−352万円)の違いですが、Aサンの計画通りに10年後迄考えれば、その差額は881.3万円(=4401.4万円−3520.1万円)となります。期待利回り6%を確保しようと思えば、仮にこの物件の10年後の売却予想額が2ケース共に1億1千万円だとすると、調達金利の違いによってもたらされる純収益の相違は、購入金額によって解決せざるを得ません。

■それでは、現在1億円で売りに出されているこの物件を幾らで購入すれば期待利回り6%を確保できるのでしょうか?

借入金利5%のケース

借入金利3%のケース

A:毎年の純収益の現在価値累計

            (単位:万円)

年次

純収益

6%の複利現価率

現在価値

352.0

×

0.943396

332.1

×

0.889996

313.3

×

0.839619

295.5

×

0.792094

278.8

×

0.747258

263.0

×

0.704961

248.1

×

0.665057

234.1

×

0.627412

220.8

×

0.591898

208.3

10

×

0.558395

196.6

 

2590.8

B:10年後に売却した場合の転売価格の現在価値

10年後の
転売価格

6%の複利現価率

現在価値

11千万円

×

0.558395

6142.3万円

 

A+B=2590.8万円+6142.3万円

   =8733.1万円(購入限度額)

A:毎年の純収益の現在価値累計

            (単位:万円)

年次

純収益

6%の複利現価率

現在価値

440.1

×

0.943396

415.2

×

0.889996

391.7

×

0.839619

369.5

×

0.792094

348.6

×

0.747258

328.9

×

0.704961

310.3

×

0.665057

292.7

×

0.627412

276.1

×

0.591898

260.5

10

×

0.558395

245.7

 

3239.2

B:10年後に売却した場合の転売価格の現在価値

10年後の
転売価格

6%の複利現価率

現在価値

11千万円

×

0.558395

6142.3万円

 

A+B=3239.2万円+6142.3万円

   =9381.5万円(購入限度額)

計 算 結 果

87,331,000以下で購入すれば、

期待利回り6%が確保できる。

93,815,000以下で購入すれば、

期待利回り6%が確保できる。

当然の事ながら、金利のアップは返済額の増加につながり、キャッシュフローを圧迫する。
そのことは、将来の物件売却価格が同じであれば、金利の高いほうの購入価格をより低く出来なければ、享受できる利回りは期待されるものを得ることは出来ない。
反対に言えば、今後より金利がアップする状態であれば、将来の売却価格が(購入時点と比べて)インフレ化していなければ、期待利回りは満足できる数値にはならない。

参考までに、今回の購入価格を言い値の1億円で取得した場合、10年後の転売価格が幾らであれば期待利回り6%を確保できるかを計算しておきます。

 

期待利回り6%を確保できる10年後の売却価格

借入金利5%のケースでは・・・

1億3268.8万円

借入金利3%   〃  ・・・

1億2107.6万円


―あとがきー

実際の不動産市場において、ここで挙げた理屈で売主と交渉したところで、「お好きにどうぞ…」って感じで終わってしまいます。
理屈で商売は出来ませんから…
“現物取引”“相対取引”とはそのようなものでしょう。
ただ、そんな考え方や理屈であっても、『解る』のと『解らない』のでは、自分自身の判断材料の厚みはかなり違うように思うのです。



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