2005. 1 今年の不動産対策はディフェンス重視!
2004.12 固定資産税精算金と消費税
2004.11 敷地権と古年マンション
2004.10 売買取引の習慣、大阪と東京の違い
2004. 9 自宅マンションの収益力って何ですか?
2004. 8 金利と収益物件の関係
2004. 7 不動産と相続評価
2004. 6 修繕積立金
2004. 5 仲介手数料
2004. 4 立地・将来性と利回り
2004. 3 「道路」について
2004. 2 「すぐできる空室対策」
2004. 1 「短期賃貸借制度の廃止」の前評判は?
2003.12 来春,消費税が変る!
2003.11 ミスは何故起ったのか!
2003.10 中古の収益用不動産の値踏み
2003..9 土壌汚染対策法と土地取引
2003.8 資産運用と不動産の位置付け
2003.7 収益用不動産と減価償却について
history

2003. 6 不動産情報とインターネット検索
2003. 5−ややこしいぞ!−瑕疵担保責任
2003. 4 何年たっても不良債権処理その3
2003. 3 賃貸マンション建設と経営について
2003. 2 不動産の値踏み…公的価格と時価
2003. 1 平成15年の不動産市況について
2002. 12 賃貸物件の原状回復の問題
2002. 11 事業用不動産を買い換える時
2002. 10 続・何年たっても不良債権処理
2002. 9  定期借家制度の動向
2002. 7  マンション投資は危ないのか!ペイオフ対策・年金になりえるのか!
2002. 6  何年たっても不良債権処理
2002. 4  売買契約前の重要書類について
2002. 2  利回りについて
2001. 12 収益物件取引きの現状
2001. 11 路線価について
不動産マメ知識コーナー

 税制と不動産の悩ましい関係】 
     
2005.2.

確定申告の時期が近づくと、「税金」が身近に感じられるのは私だけではなく、不動産所得や事業所得がある方は皆同じ心境かと思います。
今年の申告について不動産関連で言えば、昨年の改正により≪@土地等の譲渡損益とその他の所得との損益通算の禁止A長期譲渡所得の特別控除(100万円)の廃止≫を、今年の確定申告で経験する人が出てきます。

@   土地等の譲渡損益とその他の所得との損益通算の禁止

従来のように損益通算できると思って、申告書を作成している方も恐らく大勢いらっしゃるはずですから、そのケースは当事者にとって大問題です。
「譲渡損益の損益通算の禁止」は不動産売却によって損した金額を、例えば給与所得(当然、数字は黒字=納税者する立場の場合)や賃貸物件の家賃収入と損益通算して、課税所得をダウンさせたりゼロにしたりすることが、今回から出来ないということが問題なのです。

 

今回

以前

給与所得

1000万円

1000万円

不動産所得

500万円

500万円

土地建物譲渡損

2000万円

差引

1500万円

500万円

所得税額※

327万円

0円

       定率減税や各種控除を無視して、(税率30%−123万円)で算出。

でも少し違った角度で見ると、間接的に違った形で影響を受ける方も大勢居るはずです。

■マイホームの売却・買い替えは別の扱いになっています。

この制度は一昨年の平成15年の年末に具体化し、翌年明けからバタバタと猛スピードで成立してしまいました。
不動産は買うにしても売るにしても、それなりに時間を要るものです。
“今日言って明日売れる”と言うことは普通ありませんので、含み損を抱えていた方の中で、従来のように“節税”しながら“資産”を再構築しようと考えていた人が、税制改正のお陰で売りそびれてしまい、“損”をした可能性がありますし、実際にそう言った方も居られるのではありませんか?
つまり、含み損を処理するタイミングを逸してしまったということです。
勿論、含み益のある場合は問題ありませんが、この税制を作った先生達にとっては「含み損を抱える所有者」は既に気になる存在ではなく、その結果『すでにバブル後ではない…』的な雰囲気が色濃く出たものだと思います。
不動産に限らず資産運用は、利益が出るどころか、逆に損失をこうむってしまうことがあることを理解しておくことも重要だと思います。
そして特に不動産に関わる税制の変更は、今回のようにちょっとしたようなものに見えていても、売主・買主・所有者・景気に大きく影響を与えるものです。

不動産と株式をごっちゃにして「投資」を促進しようとする税制改正の動きもあるようですが、プロは別としても一般の方にとって不動産投資は金額が大きく、株式投資のように簡単に買い増したり、リスク分散の有効性をしたり出来難いのです。

一般の不動産投資家にとっては、本業の安定収入が不動産投資をより効率的に運用するベースになることは間違いありませんし、税制改正の動きを察知することは絶対に必要です。

A   長期譲渡所得の特別控除(100万円)の廃止

昨年の1月1日以降の不動産譲渡から、所得税・住民税の税率が引き下げられています。

 

現在

以前

長期譲渡

20% (所得税15%・住民税5%)

26% (所得税20%・住民税6%)

短期譲渡

39% (所得税30%・住民税9%)

52% (所得税40%・住民税9%)

そして、5年以上(注1)保有していた不動産を売却した時、譲渡所得金額から100万円の控除が出来なくなっています。

現在

 

■課税長期譲渡所得金額

3000万円―1500万円―300万円=1200万円

■譲渡所得にかかる所得税・住民税額

1200万円×(15%+5%)=240万円

以前

 

■課税長期譲渡所得金額

3000万円―1500万円―300万円―100万円=1100万円

■譲渡所得にかかる所得税・住民税額

1100万円×(20%+6%)=286万円

田中さんが昭和48年に購入した大阪市都島区の土地建物を8月に3000万円で売却し、譲渡費用300万円、購入時の取得費(建物については償却後)は1500万円でした。
平成16年と平成15年に売却した時の税額の比較をしてみました。

(注1)

長期と短期の区別は、譲渡した年の1月1日における所有期間が、5年を越える場合…長期譲渡所得/5年以下の場合…短期譲渡所得となっています。

今年売却するとすれば、平成11年12月31日までに取得したものが長期譲渡所得になります。

上記のような金額の場合、100万円の威力より26%→20%への税率の威力の方が効いています。
そして、金額がより大きくなる大型案件がより威力を発揮するところが分かると、この税制改正で恩恵を被る対象者がどんな立場の層か想像できるはず。
逆に、譲渡所得が433万円以下であれば、税率変更と特別控除100万円の影響は及ばない。


戻る