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 続・民間入札の弊害

2005.11.

カネボウ粉飾決算・明治安田生命の保険金不正不払・道路公団絡みの橋梁談合・NHK社員の番組制作費着服・大阪市闇給与……これだけ大きな組織の不祥事が次々起こってしまうと、少し前のことでも遠い昔のことのように感じてしまいます。

今年の7月にこのコーナーで取り上げた「民間入札の弊害」は、単に不動産売買の方法に対する問題ではなくて、「世相」を感じて書いてみたつもりでしたが、最近同業の人と話していて、奇しくも同じような意見を耳にすることが幾度かありました。

それは、不動産業者としては大変耳の痛いことですが、我々の業界にも一人よがりの仕事をする人が増えてきているのではないか、と言う意見です。

多少そのことを感じつつも、もうすぐ自分も50歳になり愚痴の一つも言うような歳になったのかなと諦めていたのですが、単に年齢ではなく『やっぱり同じように思っている人は他にもいるんだ!』と内心ホッとしております。

多分大元のところで大きなうねりがあったりして、各個人がそうせざると得ない部分もあるのでしょうが、世の中には紳士面をして、平気で他人の気持ちを足蹴にする悪い輩がいることもあらためて知ってほしいし、そのような輩があなたのために良質の情報提供や、本当にあなたが安心できる商品の紹介・アドバイスを行うことができるのかもう一度考えてみるべきです。

今回は同業者から聞いた入札に絡めた裏話を取り上げます。

(※営業テクニックや処世術の問題ではありません!くれぐれもお間違えのないようにお願いします。)

大手銀行Aの不良債権処理に伴って、ある物件を売却することになる。
物件の現所有者はA銀行のダミー会社になっていて、昔よく聞いた“飛ばし”の状態、

いわゆる、所有権を持たせて、抱かせている状況。
仲介することになったのは、A銀行の子会社とA銀行と親しい老舗業者Bの数社のみ。

早速に老舗業者Bは不動産会社Cに買ってもらおうとその物件を持ち込み、『A銀行にとっても問題のある物件なので、限られた先にしか持ち込めない物件であり、買主としてC社であれば売主にとって全く問題無いはずだが、相対取引ではないので期間内の“購入申込書“(俗に言う買付証明書)が必要』だと説明する。

C社は検討する気持ちはあるが、入札形式についてあまり気乗りがしていないが、検討する旨を約束する。
その後、C社に対してA銀行※支店の責任者が同一物件を紹介しに来る。

C社はすでに別のルートから物件情報入手済である旨を伝えるも、※支店の責任者は入札形式をあくまで体裁だけのもので、C社が必ず購入できることと、その上に購入資金の提供も約束して帰ったとのこと。

後日、期限内の申し込みが締め切られ無事6社(D・E…)の書類が揃ったが、2番手の購入希望者を僅かに上回る金額でC社が購入者に決定した。

でも、老舗業者Bは取引には参加することはできない。

もしかしたら、私たちも知らない間にDやE、Bになっているかもしれませんよ。

 
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