【不動産マメ知識コーナー+FPなコーナー】
住宅ローンアドバイザー
2007.6.
日本FP協会の4E(Education,
Examination, Experience, Ethics)の一つ「継続教育」はCFPの場合で30単位/2年間を取得しなければ更新できません。
私のように企業に所属せずに仕事しているものにとって、研修会や講習会は日頃会得することのできない情報や知識を得ることの出来る格好の場です。
「住宅ローンアドバイザー」講座は不動産関連の知識としてだけでなく、FPとしても興味があったものでしたので、単位取得に続いて検定試験も受けることにしました。
「住宅ローンアドバイザー」とは、「住宅ローン選択時に影響を与える全ての人(注1)」のことで、「住宅購入者と接する機会の多い立場の人が、その立場が許す範囲において中立的で、購入しようとする人にとって適切に住宅ローンの内容を説明し、アドバイスできる人」のことです。
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(注1)
【金融機関の営業員】【マンション、住宅販売の営業マン】【ファイナンシャルプランナー】【保険代理店】等
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私自身が始めて自宅マンションを購入したのはもう20年位前になります。
当時、住宅ローンといえば「住宅金融公庫」「年金併せ貸し」「市や府の地方自治体融資」「民間の住宅ローン」の順番に金利の安いもの、借入期間の長短などを検討して借り入れたものです。
ところが現在では、当時のトップスターであった「住宅金融公庫」がなくなり、「フラット35」なる証券化された融資や民間金融機関のローンが人気を集めています。
「フラット35」は銀行だけが取り扱っているわけではなく、住宅ローン専門会社(モーゲージバンク)が多数設立されていて、取扱件数1位の日本住宅ローンは住宅メーカーが出資した会社ですし、その他宅建業者の団体が出資した全宅住宅ローンという会社等設立母体は多種多様です。
住宅ローンは案外複雑な商品になっていて、一概にどれが一番いいのかは人によって違うという側面があります。
そんな時にお役に立つ人に成りたいと思いました。
「住宅ローンアドバイザー」にまつわるテーマとして■「フラット35」、■繰上げ返済、■返済に困った場合、■「住宅ローンアドバイザー」検定試験について取り上げます。
■「フラット35」…“フラット”=全期間固定で金利が“平ら”という意味。
「フラット35」、民間金融機関と住宅金融支援機構(2007.4.1スタート)が提携し最長35年長期固定金利の住宅ローンを提供するものです。
申込金融機関は抵当権者ではなく、住宅金融支援機構が第1順位の抵当権者です。
「フラット35」と言うと、それは通常「買取型」のことで、別に「保証型」(三菱東京UFJ銀行と千葉興業銀行の2行が取り扱っている)というのもあります。
「フラット35」の主な内容
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買取型
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保証型
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融資額
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100万円以上8000万円以下
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融資比率(対購入価格)
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90%以内
(購入価格額1億円以下・消費税含)
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80〜100%
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物件検査
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必要(費用は借主負担)
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住宅金融支援機構の役割
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住宅ローンを買い取る役割
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従来で言えば住宅ローン保証会社のような役割
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金利
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固定金利(融資実行時)
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取扱金融機関により違う
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返済方法
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元利均等又は元金均等毎月払い(ボーナス併用可)
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融資期間
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完済時が80歳となる年齢・15年以上35年以内
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融資手数料
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取扱金融機関により違う
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利用資格
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※申込時70歳未満(親子リレー利用者は70歳以上可)
※年収により基準とする返済比率以下の方
(その他の借入金も合わせた、年収に占める割合)
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ローン保証料・保証人
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必要ありません
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繰上返済手数料
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必要ありません
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登録免許税
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平成19年4月1日以降、課税対象となりました
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「フラット35」のHP
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繰上げ返済
余裕資金があれば繰上げ返済して元金・利息を減らしたいものです。
「フラット35」の場合、振り上げ返済の元金100万円以上で手数料は要りません。(1ヶ月以上前に申し出必要)
民間金融機関の場合はそれぞれで条件が異なります。
…繰上げ返済の選択…
繰上げ返済には「返済期間短縮型:毎月の返済額を変えずに残りの返済期間を縮める方法」と、「返済額軽減型:残りの返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす方法」があります。
トータルで利息を軽減できる効果が高いのは「返済期間短縮型」です。
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ローン返済に困った場合
● 金融機関にすみやかに相談する。
● 条件変更・据置・延長等の措置を考える。
● 延滞が6ヶ月以上になると、借入金残高を一括請求される。
● 代位弁済後は、債権者が金融機関から保証会社に変更になる。
● 代位弁済後、返済が困難になると抵当権に基づき裁判所に競売申してされる。
● 競売より任意売却できるなら、それも検討する。
○ 「個人再生手続き」…住宅を手放すことなく、残すことが可能。
○ 保証会社の代位弁済後6ヶ月以内に個人再生手続きを取り、返済方法の変更等で返済を続ける。
○ 住宅ローン以外の債務が3千万円以下で、将来において継続的・反復的に収入の見込みがある人。
○ 「自己破産」…返済計画が立たない場合、地方裁判所に自己破産の申立てを行う。
○ 免責が認められると、全ての債務はなくなり、破産宣告がなされると、住宅は競売に付される。
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資格検定試験は
試験内容は@コンプライアンス、Aローン、B税金・費用、C計算問題の4部門から出題されていましたが、主に@Aの比率が高いようです。
問題自体はさほど難しいものではないので、楽しんで参加してみるといいと思いました。
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