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不動産マメ知識コーナー&FPなコーナー】


 【小規模宅地等の特例見直し:相続税】
                      2010.5


最初に財務省のホームページで昨年末の“平成22年度税制改正大綱”の相続税・贈与税についての基本的な考え方をご覧いただきますが、今後のの方針も述べられていて大変参考になると思われます。

平成22年度税制改正大綱〜納税者主権の確立へ向けて〜

第1章 税制改革に当たっての基本的考え方・・・【相続税・贈与税について】

相続税は格差是正の観点から、非常に重要な税です。バブル期の地価急騰に伴い、相続税の対象者が急激に広がったことなどから、基礎控除の引上げや小規模宅地等の課税の特例の拡充により、対象者を抑制する等の改正が行われました。バブル崩壊後、地価が下落したにもかかわらず、基礎控除の引下げ等は行われてきませんでした。そのため、相続税は100人に4人しか負担しない構造となり、最高税率の引下げを含む税率構造の緩和も行われてきた結果、再分配機能が果たせているとは言えません(下表参照)。また、金融資産の増加などの環境の変化が見られます。
今後、格差是正の観点から、相続税の課税ベース、税率構造の見直しについて平成23年度改正を目指します。
その見直しに当たっては、我が国社会の安定や活力に不可欠な中堅資産家層の育成や事業の円滑な承継等に配慮しつつ、本人の努力とは関係のない大きな格差が固定化しない社会の構築や課税の公平性に配慮すべきです。
さらに、相続税の課税方式の見直しに併せて、現役世代への生前贈与による財産の有効活用などの視点を含めて、贈与税のあり方も見直していく必要があります。
また、法人等を利用した租税回避への対応など、課税の適正化の観点からの見直しを引き続き行っていきます。


まず気になる部分は、「100人に4人しか負担しない・・・」と相続税の課税対象者が少ないことを改めて確認している箇所と、「本人の努力とは関係のない大きな格差が固定化しない社会」+「金融資産の増加などの環境の変化」として安に金
融商品による儲けや親の財産を引き継ぐことによる資産増加を見直しますよ!って言っている部分です。なるほどその通りだという方もいれば、“なぜ?“って感じられる方もいらっしゃるでしょうね。皆さんはどういう風に感じられますか?

(ちなみに、国税全体に占める割合は相続税と酒税はほぼ同じくらいで、約3%といった比率です。)

また、今後の方針としてわざわざ「法人等を利用した租税回避への対応…」というくだりは、資産保有会社(不動産管理を目的とした同族会社など)などのペーパーカンパニー的な親族法人を使った節税について今後要注意ですよっていう意味です。

     ■4月スタート! 小規模宅地の評価減厳格化適用■

今年度からの“小規模宅地の評価減”については、上記の方針に則って行なわれることでありますので、いわゆる相続税対策として、所有地(特に遊休地)に賃貸マンションを建築した方、計画中の方も影響が気になります。
なぜならば、不動産を活用した相続税対策として、「貸家建付地評価減」「貸家評価減」「小規模宅地評価減」を利用することで、相続税の評価額を引き下げることができることはアパート経営の大きな魅力のひとつだったからです。
(注1)
このうち、「小規模宅地の評価減」について、4月1日より改正されることになりました。

勿論、事業用宅等の継続しない方が一切の軽減を受けることができなくなる方がメインテーマですが、こちらの方はどうしようもありません。「小規模宅地の評価減」とは、例えば亡くなったお父さんが事業に使っていた建物の敷地や住んでいた土地を、息子や母親が相続した場合、下記の面積までの部分が50%から80%減額して相続税の課税価格とする特例のことです。

条件

上限面積

軽減率

事業用

特定事業用宅地等

特定同族会社事業用宅地等

事業継続

400u

80%

継続しない

200u

50%

貸ビルや賃貸マンションの不動産貸付など(注2)

居住用

特定居住用宅地等

事業継続

240u

80%

継続しない

200u

50%

(注2)いわゆる5棟10室等の事業的規模については、「小規模宅地の評価減」には関係がありません。

今回の改正では事業や住まいを“継続しない”相続には、軽減する措置が全くなくなりました。
また、これまでは一棟の建物内に自宅と賃貸部分があれば、一棟建物の敷地全体が居住用の減額対象となるなら全部80%減額対象でしたが、これも4月からは建物用途の面積を按分して自宅と貸家部分を分けて計算しなければならなくなりました。
按分としては、ひとつの宅地を共有名義で相続することもありますが、従来は相続人のなかに80%減額の条件を満たす人がいれば他の人も同じように80%減額されていたのが、今年度からは事業継続や居住継続している人、しない人ごとに分けて計算しなければならなくなりました。

(注1)

ここに相続評価額2億円の更地Aさんが所有しているとします。

Aさんはいろいろ考えた結果、この土地に賃貸マンションを建築することにしました。
すると、土地の評価額は次のようになりました。【貸家建付地評価減】

2億円×(1−借地権割合0.6×借家権割合0.4)=15200万円

でも、新たに賃貸マンションを建築することで財産は増えます。

建物の相続税評価額は固定資産評価額となります。仮に固定資産税評価額を15000万円としますが、貸家の評価額については減価されます。【貸家評価減】

15000万円×(10.4)=9000万円

【小規模宅地の評価減】については、全部を賃貸用として建築したとして▲50%の評価です。

但し、敷地は200u(約60坪)以下だとします。

15200万円×0.57600万円

このように賃貸マンション計画を実行するのですが、これでは更地で2億円だったのに、建物を建てたおかげで土地・建物の合計評価額は16600万円(=7600万円+9000万円)と大して効果はないように思えます。

相続(税)対策としては、財産全体の把握が必要ですので、その上で適当な額の借入金と堅実な毎月の賃料収入を計画に参加させます。

Aさんの場合、仮に建築費等の必要資金を銀行からの借入金3億円だったとします。

土地・建物の相続評価額16600万円―借入金3億円=▲13400万円

1億円近いマイナスの相続評価額を背負って、堅実なキャッシュフローで現金収入を得られるプランを考えて実行する。それをファミリー法人で管理して所得分散するとか、適当な更地がなければ既存の一棟収益物件(勿論、分譲マンションでも可能ですよ)を購入するとか、また、償却が進んだ所有物件を買い換えるとか・・・それがよくアパート経営セミナーなどで行なわれている相続&相続税対策としての賃貸マンション計画の基本的な考え方です。


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