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  【給与所得者控除と経費】 2005.8.

  個人事業者とサラリーマンはどっちが得か?

サラリーマンの経費相当額と考えられているのが給与所得者控除(注1)です。
ところが最近、(多すぎるから)減らそうとか、(税収不足だから)見直そうとか言われています。
こんな大きな制度変更がもしあれば、人生設計なんて簡単にはできませんぞ!

税負担が増すことには、大阪市民は過敏に反応するはずです。
市役所の職員過剰待遇、WTCなど第三セクターの失敗、各区役所の残業詐欺等、無駄使いのオンパレードのなかで、いかなる増税論議も大阪人が許容できる土壌は一切ないと思うからです。


よく個人事業者は色々経費が使えるけど、給与所得者はガラス張りで損している!って言われていますが、本当のところはどうなのか?

サラリーマンは無条件で「給与所得控除」と称する「必要経費」が認められていることを考慮していないと、短絡的にそう思ってしまいます。
給与所得者(最近は「サラリーマン」のことを「リーマン」というらしいが…)は先のような独自の控除がある為、次のような「必要経費」は認められない。


新聞代・本代・電話代・(自家用車の)ガソリン代や減価償却費・交通費・接待交際費…

勿論、中には会社が払ってくれるものもあるので、全てを負担しているわけではないけれども、自分の所得からは落せない。

個人事業者の収入が多くなる年、経費はどうしても膨らみがちです。
収入に波がありますので、実入りのある年には無かった年の分まで(設備投資的意味合い含む)経費を使いますし、当然、節税する意識も働きます。そうでないと、収入の少なかった年の分を持ちこたえる資金的余裕がなかったりするからです。

(多分、純なサラリーマンの方にはこの意味が理解できないはずです。昔私自身、そうでしたから…)

個人的な経験からして、どちらかが一方的に損得していることはないと思いますが。

  節税会社の前途は…

ビジネス雑誌などでお勧めの「管理会社」設立による“節税”方法は、給与所得控除の大幅縮小により立ち行かないケースが出て来ます。

不動産管理会社を作って、そこから給与なり青色専従者給与なりを支払うことにより、所得分散し給与所得控除をフル回転させるあの技のことです。
実際の必要経費は事業所得から落し、給与所得からの控除は書類も裏付けも要らない丸々落せる“経費”だったからです。
その意味では、給与所得控除の見直し・大幅縮小はサラリーマンの人だけの話ではなく、事業所得とか高額所得者の方にとっても大いに気になるものであります。

注1:給与所得控除はどの位のものか?

給与額の増減に連動して、控除額も上下します。

給与収入

給与所得控除

割合

100万円

65万円

65%

250万円

93万円

37%

400万円

134万円

33%

500万円

154万円

31%

750万円

195万円

26%

1000万円

220万円

22%

1500万円

245万円

16%

2000万円

270万円

13%

給与収入者の平均収入は平成15年国税庁調で『443.9万円』(男544.2万円・女274.8万円)です。

その場合の給与所得控除割合は給与所得の32%となります。

 
 

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