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10年後の地価予想


2009.3.

メルマガを読むのが一日の始まりになっています。“今日の一言“みたいなものや専門家の”相談コーナー“や”解説“とか”意見“ものなど内容はいろいろです。バードレポート (資産ビジネスの専門家向けレポートhttp://www.bird-net.co.jp/)も結構参考にさせてもらっているメルマガですが、先回のバブルから今回の不況、それから今後の予想と専門家について面白く論評されていましたので、ご紹介したいと思います。

●サププライム不況は

サブプライム不況については野口由紀雄先生説で納得しています。勝手に私が噛み砕くとこんなところでしょうか。
アメリカの住宅価格を値上がりで、住宅ローンという名の使途自由ローンでアメリカは景気に沸いた。それでトヨタの車も売れた。
なんでそれほどに緩いローンが可能になったのかというとか。低金利の円資金も大きな背景だ。つまり日本の低金利円安バブルのおかげだった。アメリカの住宅価格は5年前の水準にまで下がる。そこまで需要は下がり続ける。5年かけて膨らんだものを短期間で潰そうとするから、売上も給料も工場も会社も悲鳴を上げる。

アメリカでトヨタもキャノンも売れない。では中国需要があるかといっても、中国はアメリカに輸出するための資本財を日本から買っている。
中国もアメリカに輸出できなくなるのだから、日本の資本財も確実に売れなくなる。資金の出し手である日本がサブプライムのお先棒をかつぎ、トヨタを売ってそのサブプライムで潤った。

だから一番ひどい目に合うのは日本だし、株価の下落率ナンバーワンが日本になるのも当然だ…、といったところでしょうか。
もうすぐ景気は明るくなるなんて言う見方も多いようですが、どんなものでしょうか。
個人的には無理に決まっているだろう、と思っています。


●「マイホーム買い時と思う?」バブルの記憶

2009年2月21日の日本経済新聞土曜版は「マイホーム買い時と思う?」という特集。こういう特集はなつかしくなってしまいます。前バブルの時代と同じです。
1989年末が東証の最高値で、90年3月に不動産総量規制ではじまり不動産価格は真っさかさまになります。不動産大不況をうけて、国は国民に住宅ローンでマンションを買わせます。93年に「ゆとりローン」開始です。5年間は返済が極端に少なく、6年目から急増します。5年もすれば景気も良くなり給料も上がっているだろう…。
サラリーマンに不動産を買わせることで景気回復させるのが国策でした。

この頃、マスコミに出現したのがこれと同じ「マイホーム買い時と思う?」という特集でした。価格が高いか安いかどうなるかは誰にもわからない。わかっているのは「昔はこの金額だった」ということだけ。「何年前に比べてこんなに安くなった」という、高値覚えしかないのです。だから買いたくなるのです。
そうして当時の世間知らずの若き新聞記者も「マイホーム買い時と思う?」といった特集をしました。確かに昔より大幅安になったし、ゆとりローンもあるし…。

さて、今だから振り返ることができます。一番つらい思いをしたのは「マイホーム買い時と思う?」といった特集の頃にマイホームを買った人です。
住宅価格は更に下がり続け、リストラ時代を迎えます。
住宅ローンを抱えたことで地獄の時代を過ごすことになりました。
その後はこんな記事すらなくなります。
93年の「ゆとりローン」同様に、2009年はローン控除大幅拡充です。
住宅販売現場では「ローン控除も拡大されるし、思いきって…」などといった販売がされているのでしょう。ゆとりローンの5年目は1998年です。
1997年が山一證券破綻です。

まさに不況リストラのど真ん中で住宅ローン6年目を迎えて返済額が急増しました。
真面目に働き国策に乗ってマイホームを買った国民が、破綻し自己破産をし一家離散し自殺していきました。
ゆとりローンの5年目にどんな改正がされたかご存知ですか。

リストラとローンに苦しむサラリーマンが自宅を売却して売却損が出たならば、その赤字は3年間にわたって給与所得と通算する…つまり税金で売却損の一部を負担してくれるという、涙が出るほどサラリーマンに暖かい税制でした。ただし条件が付きました。新たに住宅ローンを組んで新たなマイホームを買った場合に限る、という条件です。フザケンナ!!。

デベロッパーにとっては涙が出るほどうれしい税制だったでしょう。所詮、まじめな国民への扱いなんてそんなものです。国民のための住宅政策なんかではなく、国民は景気対策のためにマイホームを買わす道具でしかないのです。
どれほどの自殺者や一家離散者をだしたのか。薬害エイズの厚生省より、旧建設省がやった数の方が断然多いでしょう。そしてこの改正を見れば確信犯だったとしか思えません。
しかし厚生省とちがって誰ひとり大量殺人の罪として裁かれていません。
当レポート発行人は一般の住宅市場のことはよく分かりません。
だからマイホームの買い時について人にお伝えする自信などはありません。
ただ、ここまで書いてきたようなことが昔あって、真面目な国民がひどい目にあったとだけはお伝えできます。

●10年後の地価予想

手元に前回のバブル崩壊直後の1990年の週刊読売の「緊急アンケート・専門家12人の徹底予想」なんていう記事があります。専門家が5年後10年後の地価を予想していました。結果として、その後の10年間地価は暴落し下り続けます。以下、専門家12名の答えから抜粋です。

お名前は出しませんが、そうそうたる方々です。

「ここ1、2年は停滞するが、その後は絶対に上がる。」
「5年後、10年後も間違いなく上がっているでしょう」
「5年後は横ばいで、10年後はまた上昇するでしょう。」
「いまのままだと下がるとは思えない。5年後も10年後も上昇するだろう。」
「5年後は上がり、10年後はさらに上がっているでしょう。」
「上がります。」
「5年後、10年後で考えても、下がるとは考えられない。」
「10年後の地価は現状程度の地価水準止まりか。」
「抜本的な土地政策が打ち出されない限り上がっていると思う。」

もちろん見事に当てている方々もいます。こちらはお名前をだしましょう。

名東孝二氏「下がっている。一時的には大暴落もありうる。」
長谷川徳之助氏「地価は下がって当たり前。暴落の危険さえある。」
竹内宏氏「10年後は実質で現在の3分の1に下がっているでしょう。」

地価予想なんて、専門家でもそんなものです。
だから慎重に。

して安全策は「底値が見えるまでは買ってはいけない」です。
「底値が見えても」分かりませんね…。
筆者個人的には5年前に新築マンション底値だと思い新築を買いました。

見事に底値でした。
それから上がりましたが、今値下がりに見舞われ、買い値を割ろうとしています。

日本では住宅数が世帯数を上回っています。住宅は偏在していますので、望む人の前に望まれるマイホームが不足しているのは事実ですし、良質でリーズナブルな賃貸が不足しているのも事実です。
しかし住宅を争って奪い合う時代ではありません。
資産形成としての住宅でなく住まいとしての住宅を見るのならば、自分のライフスタイルにあったものが無理なく変えるのならば、時期に問題なく買い時です。
でも資産形成としての自宅を考えるのなら、他人の声で
の「買い時」「低金利」「税制」といった声に惑わされないことでしょう。

●ドラッカーいわく

「『重要なのは、すでに起こった未来を確認すること』。経営学者、ピーター・ドラッカーの遺訓だ。
起こったこと、起きつつあることを凝視し、未来を探し出す。
2009年の年頭、百年に一度と言われる世界経済の変わり目に、この言葉をかみしめたい。」
(日本経済新聞 大機小機2009.1.6.)
しかしそんなにやさしくはありません。そのピーター・ドラッカーは著書の「ネクスト・ソサエティ」では次のように書いています。

「われわれが気づいてさえいない未来の事象の流れとして、いかなるものがありうるか。ここで自信をもって予測できることは、未来は予想しがたい方向に変化するということだけである。」

 
 


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