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 「租税回避」の生命保険に国税庁がNO!

 2021.3.24

かねてより国税庁が見直すだろうと言われていた、オーナー経営者向けの「生命保険」(逓増定期保険)がついに6月に課税ルールが変わりそうです。
「逓増定期保険」の「逓増」の意味は、「数量がしだいに増える」ことですが、この場合の数量とは“解約返戻金”のことです。

社長の死亡時に備えて会社が加入する生命保険で、例えば4年後に会社から社長個人に「名義変更」(=買い取る)をする。図①
「逓増定期保険」の中でも「低解約返戻金型」と言われる返礼率がピークの直前まで低く抑えられていて、ピークになって急に上がるタイプが有効です。
例えば、この保険が翌年の5年目に解約返戻金は8100万円に跳ね上がる商品で、社長個人はその時点に保険を解約します。図②
その解約返戻金の8100万円は、いわゆる1/2課税であるところの一時所得になるので、一般の所得税とは桁違いの節税が可能となるスキームです。
図③

一時所得の場合、(収入金額―必要経費―50万円)×1/2という金額に対して税金が掛かりますので、大雑把に言えば通常の半分しか税金を払わないでいいのいうことになります。

また、会社は当初4年間の保険料1900万円の半分は資産計上、残り半分は損金算入します。
4年間の会社の損金合計3800万円を社長に解約返戻金300万円で売却すると、会社には3500万円の損失が発生し損金に算入されます。
社長個人は節税して収入が増えても、会社の方は資産が減ってしまいます。

そういうことが出来るのは、中小企業のオーナーだということになるでしょうでこの保険が売れていたのでしょう。
(税金を払いたくない気持ちはありますからね)

見直しは2019年夏以降の契約でも対象となるそうですから、今更ジタバタしても仕方がないみたいです。



 


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 野澤 裕二

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