2003.7 収益用不動産と減価償却について
2003.6 不動産情報とインターネット検索
2003.5 −ややこしいぞ!−瑕疵担保責任
2003.4 何年たっても不良債権処理その3
2003.3 賃貸マンション建設と経営について
2003.2 不動産の値踏み…公的価格と時価
2003.1 平成15年の不動産市況について
2002.12 賃貸物件の原状回復の問題
2002.11 事業用不動産を買い換える時
2002.10 続・何年たっても不良債権処理
2002.9  定期借家制度の動向
2002.7  マンション投資は危ないのか!ペイオフ対策・年金になりえるのか!
2002.6  何年たっても不良債権処理
2002.4  売買契約前の重要書類について
2002.2  利回りについて
2001.12 収益物件取引きの現状
2001.11 路線価について
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 FPなコーナー+ 不動産マメ知識コーナー
 資産運用と不動産の位置付け   2003.8


ポートフォリオ(資産分散)について考える時、皆さんは「不動産」について冷たくありませんか?
不良債権のA級戦犯扱いの「不動産」は、今尚価格も下落しているような寂しい状況なので、それも仕方ないのかもしれませんが…。
しかし、そのような逆境の時にこそ、「不動産」のよき理解者になるのも一興じゃありませんか!

■生保は何で資産運用しているのか?

逆説的に意味で「資産の分散」は、各資産の持つリスクが予測できないから必要だということなのか!バブル後今日までの色々な状況を見ているとそうも感じます。
資産を分散するということは、勿論資産というものがないと出来ないわけですが,自己責任で資産形成を考えないといけない時代では、これからと思っている人も無関心ではいられません。
将来インフレになったとき、金利が上昇したとき、為替が大きく変動したときなど様々な変化に対処しつつ、私達が目標としているものを実現するための資産運用を不動産投資中心に考えてみました。

日本のお金持ちの代表格『生命保険会社』、総資産は約181兆円。(平成14年9月末時点)
生保各社は契約者の保険料を安全かつ効率的に運用するために分散運用しています。
《予定利率見直し》=《運用が予定通に行かない》の大問題があるにしても、ここでは資産運用をどのような構成比で行なっているのかを参考に見てみます。

資産内容

金額

構成比

(単位:円、%)生命保険協会HP貸借対照表平成14年9月30日現在より

有価証券

国債

32兆9511億

18.2%

地方債

7兆6597億

4.2%

社債

18兆7119

10.3%

株式

20兆8276億

11.5%

外国証券

27兆2478億

15.0%

貸付金

保険約款貸付

4兆6417億

2.6%

一般貸付

41兆4307億

22.9%

不動産及び動産(ほぼ全部が不動産です)

7兆9999億

4.4%

現金及び預貯金

2兆8430億

1.6%

その他

16兆9089億

9.3%

「国債・地方債」は確実性を、「株式」は換金性と収益狙いか、「一般貸付」も結構な比率でありますが、企業貸付や住宅ローン等も含まれていて手堅いところで収益も稼げる要素なのでしょう。
「不動産」の構成比率が比較的低く感じるのは、他の資産に比べて換金性(流動性)に劣ることによるものと思われます。
保険料は支払いの発生したときに備えて、大多数を流動性の高い預貯金や有価証券などで保有する必要があるからです。
我々個人も同じことで、必要な時に換金に手間取ると困るのなら、預貯金や株式などの比率を高くしておいたほうが無難です。
従来の生保「不動産」運用は資産性重視で、収益性は二の次で含み益優先といった感じでしょか。

7月25日付日経新聞で日本生命が米国の不動産担保融資する計画が載っていました。
相対的に収益の高い不動産運用にシフトすることで、運用利回りを引上げていく目論見があるとのことです。
生保会社や年金運用の対象として不動産投資信託や、不動産融資が徐々にでも増えていくことは今後の不動産市場のためにもいい傾向かと思います。

  実は不動産中心の資産運用をしている!


FPなコーナー6月分【個人金融資産は1400兆円もあるんですよ!】で個人の金融資産のデータと見てみると、個人の資産は現金・保険の比率は高いが、多くの40歳以下世帯が債務超過の状態であるので、その資産構成が住宅購入とそのローンを抱えていることでバランスを崩していると言えます。
従来は不動産の値上りを前提にしていたので、資産形成の大きな目的が自宅を購入することで事足りていたわけです。
国土交通省のHPによると、日本の国土面積の43.8%が民有地で占められています。
民有宅地面積に限ると、

個人

法人

76.3%

24.7%

民有宅地所有者数としての割合は、

個人

法人

96.0%

4.0%

    (大都市になると、法人の割合は高くなる。例えば、東京区部8.4%)

たった4%の法人が民有宅地の約25%を所有していることが目を引きます。
また参考に、民有地所有者数(個人・法人含む)は次のような増加をしている

地域区分

昭和45年

平成2年

平成11年

所有者数

構成比

所有者数

構成比

所有者数

構成比

全  国

21,062,862

33,675,112

36,781,567

(三大都市圏)

6,463,020

30.7

11,580,399

34.4

12,928,853

35.2

( 地 方 )

14,599,842

69.3

22,094,713

65.6

23,852,714

64.8

民有宅地の96%が個人所有者で占められていて、総世帯の約60%(大阪50%弱・東京40%強…  大都市は借家比率が高い。)が自宅を持っているとされています。
毎年のように資産デフレ対策としての不動産税制や法改正が積極的に行なわれていて、大都市の法人所有地がリストラや資産見直しの為にマンション用地や建売住宅用意として売却される状況では,国としても持家志向を急激に変えるような政策と取るとは思えません。


■自宅以外の不動産購入

誰もが資産運用として、《預金》《株式》《保険》等に《不動産》を加えることを考えるのは自由です。
ただ、殆どの人は(資産運用と言えるかどうかは別の問題として)自宅の購入でストップしてしまいます。主たる理由はやはり資金の問題でしょう。
40歳以下の住宅ローンを抱えた世帯の「資産と負債のバランス」は窮屈な状況で、順調に所得が伸び、それなりにローンが返せて新たに,又は併行して別の不動産投資の資金が確保できる人は限られるからです。
不動産投資をする最初の資金を不動産投資ですることはできませんので,相続や宝くじなどで突然お金が入ってきた人は別ですが…普通は“本業”で資金を作ることが必要です。
通常、不動産投資をしようとする人は、本業をこなしながら不動産業者や情報通の知人と情報交換しつつ、本番の不動産投資の準備をしていて、その時が来るのを待っています。
別に価格変動のタイミングを待つという意味だけではなく、自分にとって必要な時機を待っていると言った感じでしょうか。
私が不動産業者として今までやってこれたのも、そのような人生の達人とお会いできることで有形無形の色んなことを教えていだき、大変勉強になることが面白かったからでしょう。


    例えばの話 その1(事業用不動産業者との付き合い)

当方のHPをご覧頂いて、物件情報の提供を希望して頂くことも多くなってきておりますが,例えば物件情報に対して明確な意思の確認が出来なかったり、具体性が感じられなかったりすることがあります。
また、ご本人は不動産投資をしたいのですが、『あれっ!』と思うほど他人の意見に頼っている様子の方もおられます。
そんな方が営業センス120%の業者に掛かると“絶好のお客サン”になってしまうのかと思うと、当方にご連絡頂いたことが幸運だったのかと思ってしまいます。
お客サンが不動産業者を観察しているように、不動産業者もお客サンを見ているのですから。
もし、皆さんが事業用とか収益用不動産について取り組むのであれば、永くお付き合いできる不動産業者を見つけて相談して下さい。
同業者から見ても,良心的な業者サンも結構いらっしゃいますから!
(この場合、会社ではなく担当者個人がより大事だと言うこと!)


不動産投資の話に戻りますが,「資金はないけれど(区分所有の)マンション投資ならローンも使えるし、やれるかも知れない!」とお考えのあなたへ…。
少なくとも、「全く自己資金がない」(若しくは、それに近い状況)なら諦めるのがよさそうです。
蓄えがないから、資産運用すべきでないということではありません。
無理して「不動産」しなくっても、少額な商品でもいいんじゃないですか?

最近はバブル期を知らない方も不動産購入者になっていますので,昔話の障りを少しだけ…

私もサラリーマン時代(バブル期)に幾つかのマンション投資をしておりましたし、知合いの中にも多数おりました。
バブル崩壊後はご多分に漏れず、借金の方が物件価格よりも大きくなって、皆さん四苦八苦して切抜けたり、切抜けられなかったりしました。


    
当時、ローン審査は非常に甘くて、曲りなりにも上場企業に勤めていたりすると,個人でも総額で億単位の借入が可能でした。
当時のことを思い出してください、表面利回23%以下で借入金利57%超の世界だったことを…
年収の何倍、何十倍も借金できたことを…

自己破産した人もいますし,親に助けてもらった人もいますが,其々何かしらの手を打たないといけなかったのです。
それこそ自己責任で、そんな時にどうゆう方法で切抜けたり、対処するのかが「大きな資産=不動産」のリスク対策としては最重要です。 
現物の不動産購入が当面無理と判断した人には、『J-REIT・不動産投資信託』のような小額でできる不動産商品を検討する手があります。
-REITもより小口化した商品を出してくる予定らしいので、より気軽に購入できそうです。
物件自体を自分で決めたり、入れ替えたり出来ませんので、現物投資のようなダイナミズムを味わうことは出来ないと思いますが、より「不動産」に近づけるかもしれません。

また自宅の購入が未だなら、自宅の購入を検討してみましょう。
現在の住宅ローンは空前の借りやすい状況です。(各自、気をつける必要があるとは思いますが…。)
消費者金融同様,『借入できる=返せる』の図式は完成されたものではありませんので、各自が慎重に考えなければなりません。
又,事業用不動産を購入する場合に住宅と同じように簡単に借入が出来ると思っている人がいたら、その認識は「とんでもないョ!」とだけお教えしておきます。
(但し,新築の投資用マンション等にセットされている提携ローンは全然難しくないので、気をつける方に入りと思いますが…。)


■分散投資の考え方

基本的な分散投資の考え方は、

@投資対象の分散

A投資時期の分散

B投資期間の分散

と言われていますが,現物不動産投資では対象物件の種別・分散・期間を分けることは大資産家でもない限り難しくて、多くの金融商品のようには行きません。
区分所有のマンションを購入する場合は、比較的小振りな資金ですので数戸に分けて購入できますし、売却時を分けることで売却益・譲渡損の税金対策につなげる方法も検討できます。
しかし、小振りと言ってもそれなりに大きな金額ですから、資金計画を十分練ってから行なうことは言うまでもありません。


■不動産投資はライフプランがベース


「不動産」に金融商品的な分散投資が似合わないのは、@流動性の低さA投下資金の大きさが大きな原因です。
「不動産」はBインフレに強い、C節税に役立つことが長所とも言われています。
それに「不動産」が他の資産と違う処は、殆ど借入金を前提にして購入するところかと思います。@〜Cの特徴の内,Bは現在デフレ及び地価低迷の時代ですので,実感が沸かないでしょう。
今は無理もありませんが,今後10年、20年経ってもそうであるのかは分かりません。


8月2日に公表された路線価では、大阪圏はマイナス9.4%(対前年比)11年連続下落、東京圏(―5.2%)名古屋圏(―7.0%)。
大阪圏の景気の悪さが数値に表れている。
但し,その大阪でも中心部では下落率が縮小、下げ止まりの気配もあるようです。
大阪・梅田の阪急百貨店前で下落率は1%で、前年8.6%縮小。
下落率も大事ですが、価格自体も10数年前の20分の1、10分の1とかですから、かなり調整は進んだ段階まで到達しているはずなのです。


@ACに着目して、尚且つBの長所を得ることが出きるだろう余裕のある方が、不動産投資を考える対象者とも言えるのでしょう。

反対に短期的に不動産投資のみ考える人は、相当なリスクを覚悟できれば結構なことでしょう。
(非常に少ないけれども、短期転売目的で購入する人や,もし売却益が出なくとも目的を達成できる人も居られますから。)

十人十色の個別状況のある中、それぞれの状況に応じて購入する物件(価格・利回り・地域・種別・築年数等)も変ってきます。
あの人がこうだったから、自分もあの位…的な物件購入は今一度考え直すことをお勧め致します。

現物不動産に同じものは1つもありません。
仮に同じ物件があったとしても、購入後の所有者の状況(年齢・経済・金利・入居者等)によって同じ物件ではなくなります。
不動産投資は長期のライフプランがベースになってこそ、十分な成果が期待できる。
状況に応じて相談できるパートナーが必要です。
「医者・弁護士に加えて、不動産屋に知合いがいると安心だ!」と言う言葉はそんなところから来るのでしょう。

■何故、どんな物件を買うのか…
【目的をしっかり持って,準備をし、機を待つ】

世間では「イイ物件が少ない…」という言葉が飛び交っています。
昨今、一般の購入者(=プロではない人)でも表面利回15%とか、12%とかで収益物件を探されています。(中には20%という人も…)

★でも、なぜその利回りが必要なのか?
★勿論、収益は高い方がいいに決まっています。
★誰かに教えてもらったのか?  
★知合いにそのような人が居たのか?
★その条件以下では購入後どのような不都合が生じるのか?
   仮に利回り10%の物件のイイ物と、リスクは感じるが利回り15%の物件をどう選択するのか?★もし希望している物件が出てきた時の決断はどのような手順で誰がするのか?
★etc…

まず、不動産業者と話し合うことが非常に大事なことです。
自分の希望とその購入目的を話してみる、物件探しはまずそこから始ります。
業者の方でも購入目的や希望条件のあやふやな人に、いきなりピッタリの物件は出せないし…


    例えばの話  その2(イイ人がいれば、すぐにでも結婚するんだけど…

今から8年程前の話です。(バブルが終わってから数年後)
その頃の物件情報は今から思えば数的にはまだ多かったと記憶しています。
それでも、当時も巷では「イイ物件が少ない…」と言う言葉が!

    建築5年目◆全戸ファミリータイプ
◆大阪中心部より電車で6分程の最寄駅から徒歩5〜6分
◆地上8階建・鉄筋コンクリート造◆売値8億円(1棟売物件)

こんな物件が手に入りました。
早速買って頂けそうな方に資料をお届け致しました。
AサンとBサンが興味を示して、詳細を詰めていきました。
物件内容に対しては大きな問題もなく、価格(≒利回り)が最終的に決め手となりました。
物件自体の表面利回りは6〜7%で高利回りとは言えなかったのですが,お二人とも其々の購入目的からして、このクラスの物件を取得するのが適当だと思っていました。
ただ、AサンとBサンでは『利回り』に対する執着心が違っていました。

A
サンは値交渉の結果10%に満たない購入価格でしたが、安定した運用をしています。
現在は次の物件探しを始めています。
Bサンは10%以下では買わない信念を崩さず、購入を断念。
現在も、「イイ物件があればすぐに購入しますよ!」と言いつつ、物件を探しています。

※不動産の物件探しは、結婚相手探しに似ている!



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