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 中古の収益用不動産の値踏み

2003.10

映画「モリー先生との火曜日」(米国の人気小説を映画化したジャック・レモンの遺作)で、モリー先生は『加年は退化ではなく成長だ!』というシーンがありましたが、人間と違って建築物は古くなるとどうしたものでしょうか。
売主にとって所有物件は可愛いもので、売出(希望)価格も“勘定”より“感情”が入ったものになりがちであります。
一方、買主にとっては古い分だけ割安感を期待することになります。
折り合い、値踏みはどうしたらいいのかを1つ考えてみます。

例えば、次のケースで2つの区分所有マンションの投資利回りを考えてみますと
(一棟物件でも考え方は同じです。)


マンションA


マンションB


築年数

15年

2年


家賃(管理費1万円別)

6万円/

7万円/


【築年数以外の条件を同等として考えます】

■大阪市北区天満  地下鉄南森町駅徒歩5分 ワンルームマンション(約22u) RC造8階建の6階部分  ベランダ南向 

■管理費1万円はそのまま実費が必要として考えます。

■家賃のうち月5000円×12ヶ月=6万円を固定資産税等の費用と考えて差し引いた金額を純収益とします。

■収入の変動・空室率・減価償却等は今回無視します。

購入価格

700万円
(表面利回12%)

1000万円
(表面利回9.6%)

売却価格(10年後)

400万円

700万円


■10年後の売却予想価格は超不動産屋的感覚ですので、悪しからず!

投資利回りの計算結果 マンションA … 6.18%
           マンションB … 5.47%
 

築後2年の比較的新しい物件と、築後15年の昭和から平成に移行する時期に建てられた中古物件の投資利回り等を見てみると、それぞれ一長一短ありそうです。
マンションAは築年数が経っているので購入価格自体が安いので、Bよりも収入の低い点をカバーしている。

■一般的に新しい物件は古年物件の家賃より高目なのですが、今は新しくてもズッーと新しいわけではない…

また、10年後の売却価格もマンションAはBよりも下落率が高くしておりますが,賃料収入さえ確保できれば、投資利回は十分見込めることになります。
築年数の古い物件はローンが組みにくいとか、修繕費用の準備が必要とかの短所もありますが、価格が安価なのと、新築物件が出難い希少性のある立地にある場合もあったりしますので、単に“歳が往っているからと言って見向きもしない”のは如何なものかと思いますが。

 
 
 
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