不動産マメ知識コーナー
自宅マンションの収益力って何? 2004.9.
今月、3年ぶりに健康診断を受けました。
以前は毎年恒例にしていたのですが、久し振りでしたので“バリウム”なんかは凄く緊張してしまいました。
その待ち時間に週刊誌を見ていると、「マンションPER」や「マンション収益力」なる新語が踊っております。
そう言えば、少し前にも同様の記事をどこかでみたような記憶が蘇ってきましたが、要するに、分譲価格が月額賃料の何年分になるのかを、沿線別や各駅ごとに数値で比べたものです。
自宅マンションの「資産価値」内の1つを、賃料相場で測ろうという目的なのでしょう。
確かに、自宅特にマンションを購入しようとする時には、『この辺りで、この位のマンションを借りたらどのくらいの賃料なのかな?』と考えることがあると思います。
「安く買って、高く貸せる」的な発想は、話としては面白いし、雑誌で気楽に読むには適していると思いますが、本来の自宅購入には不向きです。
勿論、ご家族の事情により将来転勤や親との同居などを頭の片隅におかないわけには行きませんが、当面の実生活と一緒くたにするのは窮屈です。
自宅を将来の収益物件として捉えて購入するということは“絶対に無理な話”とは言えませんが,大多数の購入者は違う観点で物件を見て購入する意識を持つべきだと思います。
家賃は下げ渋るなかで、土地価格が安い都市周辺地域であれば、机上の収益力は高くなります。
その記事の中でも、好得点のエリアにも「賃貸市場で上手く廻せるかな!?」と思うようなものもありました。
購入者ご本人が自宅として、その物件について利便性や質的価値があると思われるのであれば、将来賃貸物件にして利用できるはずです。
その場合の問題は賃借人がどういう条件や、どのくらいの期間で確保出来るのかという点です。
現状から考えると、ファミリータイプの物件、特に分譲貸の物件は賃料相場がローン返済額と同額程度になる場合が多く,よくあるワンルームタイプのように比較的短期間で入居者=賃借人の確保が出来るかどうか将来的にも不透明です。
また、際立った特色のないノーマルな物件はライバルが多くて苦戦しそうですので、競争に勝つ為に少し割安賃料で客付けをしたほうがイイ場合もあります。
(空室期間を短くし、結果的に収入総額を上げる作戦です。)
特色のある高額家賃(大阪市内で言えば、賃料25万円とか、30万円とかの物件です。)の取れる物件は法人借の対象になり、案外入居者の確保が楽な場合も見受けられますが、単純に利回りとしてみればそれ程高利回りでもありません。
投資用物件として、ファミリータイプのマンションを探す人が少ないのは、ワンルームに比べて利回りが低く、空室期間が少し長め、購入金額が高い…など、購入目的が純粋に収入・収益とするにはデメリットが目立ちます。
ファミリータイプの物件を収益用に転用する方は、すでに複数の収益物件をお持ちであるか,節税などを利用目的とする意識がないとしんどい面もあろうかと思います。
≪関連ページ≫
■2002.11 自宅購入とライフプランー賃貸か持家かー
■2002. 7 マンション投資は危ないのか!ペイオフ対策・年金になりえるのか!
|